1、はじめに

 僕たちは予防と健康管理の授業で、働き盛りの人々におけるうつ病についてのビデオと体が休まる時、活動する時の体の中で起こっているホルモン分泌や、そのホルモンの種類、交感神経と副交感神経がどう関係しているかについてビデオを見た。そこで職業と心の健康について興味を持ったので、心の健康と、職業というキーワードを選んで、自分が感じた事をこれから述べていきたい。

 

2、選んだキーワード

 mental health    occupation

 

3、選んだ論文の内容の概略

  この論文は、ノルウェーの警察官の仕事でのストレスと健康について調査した論文である。警官の仕事は、ストレスの多い職業だと言われている。しかし、全国的な調査では、まだ、仕事のストレスと健康についての関係を示した調査が行われていないという事を背景にしてこの調査が行われ、論文が書かれた。もちろんこの調査の狙いは、ノルウェーの警察官の間で健康(心と身体)と仕事のストレスの関係について調べることである、また警察官の仕事は医者の仕事や一般的な人の仕事と較べてどういったストレスを感じやすいかということも調査している。ちなみに、統計は各人がアンケート用紙を、書いてもらう事によりだしている。結果は、仕事のプレッシャーを頻繁に感じる人や手助けなしで仕事をする人のほとんどが、精神的にも肉体的にも問題をおこしているという結果が出ている。また、女性のほうが男性よりも心配しやすい傾向をもっていて、一方、男性は女性よりも憂鬱になりやすいという傾向があるということだ。また警官の仕事は、医者の仕事よりも不平不満が多く個性的ではないという結果がでている、そして一般的な人々の仕事よりも不安や鬱になりにくいという結果もでている。

 

4、選んだ論文の内容とビデオの内容から、自分自身で考えたことを、将来医者になる目で捉えた考察   

  現在、働き盛りの人々におけるうつ病の患者は656人を記録していて6割の会社で現れている。長時間の労働環境の変化が原因だと考えられいて、それにはスピード重視で人手不足な過酷な労働条件を背景にしていると考えられる。実際にある会社ではリストラや、企業方針による合併で2つのルールの異なる組織が一つになる事で自分のやり方がわからなくなる、また納得感がなくなるといった自信の喪失につながった人がでてきたり、人間同士のコミュニケーションも管理職の関連によって誰かの成果を問われるため、グループで働いていたときと違い一体感が無くなり、人間関係も悪化したりしているそうだ。うつ病になってしまうと、うつ気分つまり気持ちが沈み込んで憂うつになっていることがよくあり「憂うつだ」「悲しい」「何の希望もない」「落ち込んでいる」と思い悩む。人によってはこうした気持ちを表立って口にしないこともあるが、いまにも泣き出しそうな印象や、憔悴しきった雰囲気から気づかれることもあり、こうした症状は午前にひどく、午後から夕方にかけて改善してくる。 このように憂うつな気分を感じているときには、身体の痛みや倦怠感などの身体の不調が出てきたり、イライラ感が強くなって怒りっぽくなったりすることがあり、それが性格の問題と間違われてうつ気分が気づかれにくくなることがある。また興味や喜びの喪失といったこれまで楽しんでできていた趣味や活動にあまり興味を感じられなくなったりする。何をしてもおもしろくないし、何かをしようという気持ちさえ起きなくなってくる。友達と会って話すのが好きだったのに、会ってもおもしろくないし、かえってうっとうしくなってきたりするのだ。運動が好きだったのに熱中できなくなり、テレビでスポーツ番組やドラマを見てもおもしろくない。音楽を聴くのが好きだった人が、好きな音楽を聴いてもちっとも感動しない。性的な関心や欲求も著しく低下してくる。このように何をやってもおもしろくないので、自分の世界に引きこもるようになっていく。その変わりぶりは、まわりの人から見れば、あんなに喜んでやっていたものをなぜやらなくなったんだろうと不思議に思える程である。食欲の減退または増加も起こり得る。一般にうつ病では食欲が低下してくる。一方、それとは逆に食欲が亢進することもあり、甘い物など特定の食べ物ばかりほしくなることもある。食欲がなくなった人は「何を食べても、砂を噛んでいるようだ」「食べなくてはいけないと思うから、口の中に無理に押し込んでいる」と訴えることがよくある。あまりに食欲がなくなって、一ヶ月に4キロも5キロも体重が減少してしまうこともあるのだ。 またうつ病では不眠がよく現れる。寝つきが悪くなるだけでなく、夜中に目が覚めて寝つけなくなったり、朝早く目が覚めてしまったりするのだ。とくに朝早く目が覚めるのはうつ病に特徴的で、「午前三時症候群」と呼ぶ人もいる。いつもよりずっと早く目が覚めてしまう。しかも、うつ病にかかっている人は、このように早く目が覚めたからといってすぐに起きあがれるわけではなく、布団のなかで悶々と思い悩んでいることがよくある。逆に、夜の睡眠が極端に長くなったり、日中も寝てばかりいるといった過眠症状が現れることもある。また、ほかの人から見てもすぐにわかるほど身体の動きが遅くなったり、口数が少なくなったり、声が小さくなったりすることがよくある。このような状態を、専門的には精神運動制止という。また、逆に、じっと座っていられないほど焦燥感が強くなったり、イライラして足踏みをしたり、落ち着きなく身体を動かしたりするようになることもあります。このように焦燥感が強くなっているときにはつらさを何とかしたいと焦って話し続けたりする。ほとんど身体を動かしていないのにひどく疲れたり、身体が重く感じられたりすることがあるのもうつ病の症状の一つである。気力が低下して何をする気もおきなくなり、洋服を着るといった日常的なことにさえ時間がかかるようになる。何とかしなくてはならないと気持ちだけは焦るのですが、それをするだけのエネルギーがわいてこないそうだ。またほとんど根拠なく自分を責めたり、過去の些細な出来事を思い出しては悩んだりするようになってくる。一つのことをくよくよ考え込んで、何回も何回もほかの人に確認をしたりするようになったりもする。こうした状態が進むと、会社のプロジェクトがうまく進まないことや、不況のために会社の成績が落ちていることまで自分の責任のように思えたり、不況になったことまで自分のせいだと妄想的に思いこむようになったりもする。注意が散漫になって、集中力が低下してくることもあり、そのために仕事が以前のように進まなくなったり、学校の成績が落ちたりするようになる。また、決断力が低下して、大したことでなくてもあれこれ考えて何も決められなくなるのだ中年の人は、自分がボケてきたのではないかと心配していたりする。また、高齢者の場合には実際に痴呆のように見えることがありえる。しかし、真の痴呆と違って、抑うつ状態による痴呆様の症状は治療によって改善するために、仮性痴呆と呼ばれている。痴呆の場合も、何となく元気がなくなり、記憶力が衰えてくるので、うつ病ではないかと思われるのだ。また、高齢者の場合にはうつ病を契機に痴呆を発症してだんだんと症状が進んでくる。そしてこれらのたくさんの症状が自殺につながりやすい。現在、自殺で死亡する人は、死因順位の中で6位にはいり男の壮年層の上昇が目立っている。自殺に至った原因として、1位は健康問題である、僕が思うに、健康問題とは、メンタルヘルス的な健康問題だと思う。会社が実践しているうつ病予防への試みとしてはストレスチェックシステムとコミニュケーションの強化、うつ病となった人への復職への支援などが挙げられる。ストレスチェックシステムとは社員に3か月毎にアンケートをとり、それを元にストレスレベルを医者がチェックする、このアンケートは、個人情報はしっかりと保護されており、上司に結果を知られることもない。コミニュケーションの強化とは、上司、部下交えての職場の悩みの相談を行い、お互いをもっと知ろうということである。うつ病となった人の復職への支援とは簡単な作業従事から始める事で徐々に仕事に体を慣らしていく。またうつ病同士の組織での意思交換、リハビリ制度の導入などがある。僕達が、医者になる頃には、うつ病になる人は、さらに増ていくと思う。僕達は、もっとうつ病の事を知らなければならないと思う。今、ストレスを唾液成分から捉える事もできるらしい。唾液には30種類の酵素がありストレスが高まると唾液中のアミラーゼ濃度が上昇する。それを小型の機械で正確にしかも簡単に測れることができるのだ。この機械がもっと普及していき、最寄の病院で検査をする事が可能になれば、うつ病になる患者さんの数を減らす事ができるのではないかと思う。社会が発展するにつれて、いろんな分野の仕事が増えていき、ストレスのかかる仕事や、ストレスのかからない仕事等、色々と増えていくだろう。それに伴って、精神的な健康つまりメンタルヘルスに関わってくる問題も増えていく。またそれに伴って医学もそれを治そうと進歩していく。僕達もそれに、負けないようについていかねばならない。現在行われているうつ病に対する治療には、抗うつ薬の処方や心理療法などがある。抗うつ薬の処方をするのは、うつ病は気の持ち様などではなく、脳内の神経伝達物質が減少して引き起こされるのではないかと考えられている為で、その物質をくすりで補うといったものだ。また心理療法とは不安感や悩み、トラブルなどを解消していくことで心の負担を取り去り、心のバランスを整えてくというものだ。例えば、患者さんがうつ病の時に退職をさせずにゆっくり休養されることを第一に勧めるという方法がある。休職期間中は傷病手当として給料の約6割が入ってくるのだ。一時期の気分で患者さんが退職されて、仕事がなくて収入もないと患者さんはますます苦しくなるはずだ。ただ、うつ状態になるとどうしても思考が二極化してしまう傾向になるらしい。ここで、医者が患者さんを説得するには、医者自身の身内がうつ病になったつもりで思いやりを持って、真剣に患者さんに向き合わなければならないと思う。医者の真剣さが患者さんの心を動かすのである。僕達、医者になる人間は何事も全力で真剣にやらねばならないと思う。そんな人で無ければ医者という職業は務まらない気がする。またそんな医者だからこそ自分達が、うつ病になる確率も非常に高いものだと思う。これからは、うつ病になった患者を治療する事も大切だが、うつ病にならないように一次予防に重点を置くという事も大切になってくると思う。社会全体で、うつ病になる人を減らすように、一次予防に力を入れていく必要があると思う。

 

5、まとめ

  心の健康とは、生きていく上でとても大切な事でありそれを維持するためには本人の心掛けや、まわりの環境が関係してくる。例えば仕事において一生懸命やるのは良い事だが、自分にプレッシャーをかけすぎて自分を追い込みすぎたりしては心の健康を維持はできないと思う。何事もバランス良くやるのが一番大切になってくるのではないかと思われる。